復讐感情

『戦争』と『死刑』は、個人が抵抗することができない集合的権力を有していたり、司法権力が十分にその人物を殺しても良いと判断できるだけの理由 があれば、

例外的に人権を停止して自由を奪ったり殺したりすることを合法化(正当化)できるという特性を持っているが、死刑制度の問題として『十分な理由 があれば殺人(報復)もやむを得ない』という本能的な復讐感情の肯定(対人・社会トラブルにおける暴力・懲罰的殺害の有効性)をそれとなく示唆してしまう 部分にもある。
死刑制度を廃止しても、犯罪統計では殺人の発生件数は上昇しないが(死刑が怖いから殺人をギリギリのラインで思いとどまっているという人の数が 元々圧倒的に少ないため)、『殺人の被害を受けた関係者の復讐感情の充足手段(国家権力による代理的報復の選択肢)』は奪われてしまう、このことをどう制 度的あるいは心情的に判断すべきかだが、『応報刑の正義(人を殺せば自らの生命で償う他なし)』が浸透した日本では当分は『死刑制度存置』のほうが多数派 になる。